記述の無回答率減 県独自学力テスト
県教育委員会は9日、県内の小中学生を対象に行った県独自の学力テスト「平成26年度県学習到達度調査」(昨年12月9日実施)の結果を発表した。小中学校全体で、特に記述問題の無回答率が前年度の19・3%から14・0%に5・3減少、正答率は43・2%から50・2%に7・0増加し、県教委は「諦めずに書くことにチャレンジする児童生徒が増えつつあり、教員の丁寧な指導の成果が少しずつ現れつつある」としている。
昨年度から始めた2年目の調査。児童生徒の学力の定着状況を把握し、指導方法の改善に役立てる。244小学校の4~6年生、132中学校の1~2年生を対象に、国語と算数(数学)の2教科で行った。
小学校の国語は、「文章に合った慣用句を選ぶ」など、言語に関する問題はおおむねできているが、筆者の考えを読み取って文章を抜き出す問題など、特に5・6年生で「読む能力」に課題がみられた。
中学校の国語は、話すこと・聞くことの問題など、基礎的な内容についてはおおむねできているが、作品の構造を捉えて9つの文章を3段落に分ける問題など、小学校と同様に「読む能力」に課題がみられた。
算数・数学は小中学校ともに、四則計算など基礎的な知識を問う問題についてはおおむねできている。一方で小学生は複数の思考回路を必要とする問題など、中学生は関係や根拠について考察する問題、方法や理由を記述する問題などに課題がみられた。
各校には9日、一人ひとりの調査結果を示した個人表と学校全体の資料を届けた。県教委は「データを基に、課題のみられた問題を解くためにはどのような力が必要なのか検討し、授業改善に役立ててほしい」と話している。