最後の卒業生が巣立つ 陵雲・青陵高
県立きのくに青雲高校(和歌山市吹上、森本清仁校長)として平成24年度に統合した、定時制の青陵高(同)と通信制の陵雲高(中野卓哉校長)は本年度末、統合前に入学した生徒が全員卒業し、完全統合するため閉校する。1日に陵雲、2日に青陵の最後の卒業式が行われ、67年の歴史に幕を下ろした。また、きのくに青雲の最初の卒業生が巣立った。
陵雲は昭和23年に桐蔭高校の通信課程部として設立。同39年に和歌山通信制高校として独立し、同43年に校名を陵雲と変え、これまで3800人以上の卒業生を輩出してきた。青陵も同23年に桐蔭高校夜間部として出発し、同29年に青陵に校名を改称。これまで6100人以上が卒業してきた。
陵雲は卒業式を前に、伝統をきのくに青雲に受け継ぐ移行行事を行い、陵雲で約40年の歴史がある「陵雲太鼓」を卒業生や在校生、教員とともに演舞。勇壮な太鼓の音色を体育館全体に響かせ、中野校長は「本校は高校通信制教育制度の歴史そのもの。陵雲高校は閉校し、新しくきのくに青雲高校となるが、今まで通り、自学自習のできる生徒の育成に取り組んでいく」とあいさつした。式では卒業生57人(陵雲38人、きのくに青雲通信制19人)が中野校長から卒業証書を受け取った。
青陵は完全統合に伴い、記念セレモニーを実施。代表生徒が「青陵の伝統を受け継いでいってください」と森本校長に青陵の校旗を返納した。その後式が行われ、森本校長が卒業生70人(青陵39人、きのくに青雲定時制31人)に卒業証書を手渡し、「たくましく成長した皆さまに拍手を送ります。当たり前のことを幸せに感じ、また小さな幸せに気付ける大人になって」と激励。西下博通県教育長も駆け付け、「仕事も勉強も充実させたいという思いから、先生や仲間と支え合いながら懸命に学校生活に取り組んでこられた」と祝福し、「青陵の67年の伝統を、きのくに青雲が引き継ぎ、新しい歴史を切り開いていく」と述べた。
県内のほとんどの公立高校は2日に卒業式が行われた。本年度は約7800人が卒業する。