【AR】きい探訪⑦~上富田町~

 今週は、正式競技のサッカー、軟式野球、ラグビーフットボールが行われる上富田町を紹介したい。

 競技会場となる上富田スポーツセンターはJR朝来駅から車で5分ほどの高台に位置し、センター内にはサッカー場、野球場、多目的グラウンドが整備されている。

 上富田町は田辺市と白浜町に囲まれ、町の中央を富田川が流れている。熊野への玄関口に位置することから「口熊野(くちくまの)」と呼ばれ、毎年、町内を起点に富田川のせせらぎを聞きながら自然豊かなコースを走る「紀州口熊野マラソン」が開かれ、ことしも5000人を超えるランナーが快走した。

 隠れたスポットが、富田川に架かり国道42号が走る「郵便橋」だ。明治4年に郵便制度が始まり、ここが南北に郵便物を受け渡しする郵便引換所となり、郵便を載せる渡し船が往来したという。

 その後、渡し船が廃止、板橋が架けられ「郵便小橋」と呼ばれるようになったが、洪水などで流され郵便物の引き継ぎが満足に行われないことがあったため、明治23年に頑丈な橋が架けられ「郵便橋」と命名。以後、交通の要所として栄え、町の人々に愛されてきた。

 橋のたもとには石碑が建てられ、付近の郵便ポストの上部には当時の渡し舟と局員を描いた銅像が飾られている。近くを通る際は、ぜひチェックしてほしい。  (次田尚弘/上富田町)

郵便橋のたもとにある石碑と局員の銅像(上富田町)

郵便橋のたもとにある石碑と局員の銅像(上富田町)