銘菓復活、新商品も発売へ 駿河屋再開
今月24日に新会社として営業再開が決まった老舗和菓子店「㈱総本家駿河屋」(本社=和歌山市小倉、岡本良太社長)は16日、同市駿河町の駿河町本舗で記者会見を開き、今後の事業計画や商品展開などについて発表した。
会見では、創業家出身の岡本社長が、ことし2月に京都府内の伏見店を再開していることや、5月をめどに和歌山市内の高松店、中之島店の2店舗をオープンさせる計画を進めていることを説明した。当面は4店舗で運営していく。
商品については、従来の500品目の中から30品目を製造する。練羊羹(ねりようかん)、本ノ字饅頭(まんじゅう)、あじがさといった代表銘菓が元職人の手によって再現される。また、もっちりとした食感の生地で羊羹を巻いた新商品も店頭を彩る。
再開初日の24日は正午に開店。岡本社長ののれん掛けで始まり、本ノ字饅頭の実演販売、新商品の試食の他、菓子を成型する時に用いる木型や、木型で作った菓子の展示などが行われる。
岡本社長は今後、地域の行事に参加するなど顔が見える経営に取り組んでいくとした上で、「味と思いを引き継ぎ、地域の皆さまに愛され、喜んでいただける菓子作りを大切にしていきたい。新生する駿河屋をお願いします」と再開への意気込みを話した。
再開の発表を受け県の藤本陽司商工観光労働部長は「このまま駿河屋が消滅してしまうのではないかと心配していたが、この度、新経営陣が駿河屋を継承し、再スタートされたことを心からお喜び申し上げる。和歌山に駿河屋のブランドと味が長く引き継がれていくことを期待している」とのコメントを発表した。