議会に求められるもの変化 和歌山市議選

 26日投開票の和歌山市議選(定数38)は、後半に入り選挙運動も佳境を迎える。現職にとっては市民からこれまでの議員活動を評価される場でもある。市議会はこの4年間で、会派を超えて議論を重ね、議員発議の政策条例を立案し、初めて可決までまとめた。議会の市政への関わり方は次の段階に入ったと見る議員もあり、有権者が議員に今後何を期待するかも投票判断の材料になりそうだ。

 同市議会で議員発議で成立した政策条例は、「みんなでとりくむ災害対策基本条例」(平成25年3月議決)と「みんなでとりくむ生き活き健康づくり条例」(26年12月議決)。今期で引退するベテラン議員は、議員の仕事について「昔は、道が悪かったら住民が議員に頼みに来たが、今は言われなくても行政が直すし、自治会長などの要望も行政に通るようになり、議員の役割も変わり始めている」と分析し、「今後は、条例制定でまちづくりに関わるなど、今までとは違った仕事も必要になるだろう」と話す。

4年で1回が3人 一般質問の登壇数 市当局の提出議案の内容を超えて、広く市民からの要望や議員の意見を当局に示す場となるのが一般質問だが、4年間で登壇が1回にとどまった現職議員は3人に上る。

 年に4回開かれる定例市議会での議員の仕事には、各委員会での付託議案の審議、本会議での質疑や採決などがある。委員会や本会議での審議でも活発な議論が行われるが、一般質問は、議員個人の考えを、本会議で市当局や傍聴の市民に示す一つの重要な機会となっている。

 毎回の定例会では15人前後が一般質問を行っている。質問の回数が少ない議員は、1回のみの3人の他、2回が3人、3回が5人と続く。一方、10回以上質問している議員は6人いた。選挙後の新たな議会では、さまざまな角度から、まちづくりに関する議論が期待される。

期日前増加で推移 期日前投票は21日(2日目)現在、前回より2204人多い6250人が投票を済ませた。
 男女別には、男性2937人(前回1922人)、女性3313人(同2124人)。

議員発議の政策条例を全会一致で可決する市議会(26年12月)

議員発議の政策条例を全会一致で可決する市議会(26年12月)