【AR】きい探訪⑭~日高町~
今週は、正式競技のホッケーが行われる日高町を紹介したい。
日高町は紀伊半島西部のほぼ中間点に位置する町。競技会場がある内陸部では米や野菜の生産が盛ん。海岸部は浜辺と岩礁部で形成されるリアス式海岸が特徴で、名産である高級魚クエが有名だ。
幻の高級魚として知られるようになったクエは、もともと日高町の郷土料理として旅館や民宿の宿泊客らに提供されていたもので、その味の素晴らしさが評判となったことが始まりという。現在も冬の時期に、旅館民宿組合加盟の宿などで天然のクエ料理が味わえる。
この地域で良質のクエが捕れるのには恵まれた地形が関係するという。クエは水深50㍍までの岩礁やサンゴ礁の間に生息するからだ。
町内の沿岸部に位置する、「温泉館『海の里』みちしおの湯」の1階には、ダイビングショップが入居。陸から近い地点でダイビングを楽しめ、京阪神からの客も多く訪れる。2階の温浴施設からは美しいリアス式海岸が一望でき、お薦めのスポットだ。
また、同施設から南へ約3・5㌔にある産湯(うぶゆ)海水浴場は、遠浅で広い砂浜が広がり、夏季には海の家も営業する紀中エリア随一の海水浴場。神功(しんぐう)皇后の皇子の産湯に使ったとされる井戸が残る場所で、地名の由来になっている歴史の深いところ。
競技会場から海岸部へ足を延ばせば、内陸部とは全く違う姿を見せてくれる町。ぜひ、海の恵みにふれてほしい。
(次田尚弘/日高町)