城山トンネル拡幅 24日に供用開始へ
県が海南市の黒江から日方の区間で拡幅工事を進めてきた都市計画道路・黒江築地線(城山トンネル)は、24日正午に供用が開始される。車道の2車線確保と両側歩道の整備で、交通の利便性や安全性の向上が図られる地元待望の事業。当初の予定より2カ月以上早い完成となり、当日は午前9時から市主催の「城山トンネル開通を祝う会」が開かれる。
黒江と日方を結ぶ供用開始区間は延長170㍍(うちトンネル113㍍)。地域住民の生活道路としてだけでなく、海南市内を往来する抜け道として多くのドライバーが利用していたが、以前の城山トンネルは幅員が5・4㍍前後と狭く普通車同士の対向がやっとだったため、徒歩や自転車での通行は危なく、また、開通後60年以上がたち老朽化していた。
今回の拡幅は、狭い区間を解消し、交通混雑の緩和や歩行者らの安全を確保するのが目的。平成24年度に着手し、工事は昨年6月に本格スタート。トンネルの幅を2倍以上の12㍍に広げ、各3㍍の片側1車線と両側にそれぞれ2・5㍍の歩道を整備した。
総事業費は約8億円。うちトンネルは約6億円となっている。設計は基礎地盤コンサルタンツ㈱和歌山事務所(十河和人所長)=和歌山市=、施工は㈱淺川組(栗生泰廣取締役社長)=同=と木下建設㈱(木下英文代表取締役)=有田市=の淺川・木下特定建設工事共同企業体。
当初、工事は7月31日までの予定だったが、通行止めが周辺道路の渋滞に影響したため、地元の協力を得て一日の作業時間を延長。工程の調整や業者の努力で期間を短縮し、開通日を前倒しした。
開通を祝う会は城山トンネル北側、黒江地内で開催する。県や市の行政、議会、地元の自治会、学校、工事関係者、国会議員、用地協力者、事業協力者らが出席予定。吹奏楽演奏やテープカットが行われる。