【AR】きい探訪⑱~有田市~

 今週は、正式競技の軟式野球とデモンストレーション競技の近代3種(ラン、スイム、射撃を連続して行う競技)が行われる有田市を紹介したい。

 有田市は人口約2万8000人の市。「有田みかん」の名で全国に知られるが、市内の箕島漁港で水揚げされる太刀魚は漁獲量日本一を誇る。また、同市で栽培される除虫菊を用いた蚊取り線香が開発・製造された歴史もある。沿岸部では石油精製施設があり、同市を支える産業の一つとなっている。

 有田みかんの起源は、天正2年(1574)に現在の同市糸我町の伊藤孫右衛門が紀州藩の命を受け、肥後八代からみかんの苗木を持ち帰り育てたことに由来するという(諸説あり)。中でも、新堂地区で生産される「新堂みかん」や、隣の湯浅町田地区の「田村みかん」は、みかんのトップブランドとして知られる高級フルーツだ。

 海の幸、山の幸の両方を楽しめる有田市で、ぜひ訪れてみてほしい観光スポットがある。「有田みかん海道」だ。国体競技会場となるマツゲン有田球場の近くから内陸部へと続く全長約5・6㌔の道路。紀伊水道が眼下に広がる他、沿道に巨大な風車が見える。絶景を眺められる休憩所が整備されており、ドライブに限らずウオーキングにもお薦め。

 有田みかんがおいしい理由は、日当たりの良さと紀伊水道からの潮風が関係するとか。豊かなみかん山を眺め、潮風に当たりながら、有田市の魅力を感じてみては。
       (次田尚弘/有田市)

「有田みかん海道」から国体競技会場を望む

「有田みかん海道」から国体競技会場を望む