スポーツを禁煙に たばこ問題フォーラム
「世界禁煙デー」の5月31日、たばこ問題を考える会・和歌山主催の「世界禁煙デーフォーラム2015in和歌山」が、和歌山市西浜の県立和歌山工業高校で開かれた。喫煙とスポーツの関係や禁煙治療の現状などについて、専門家の講演とシンポジウムを通して学んだ。
今回のテーマは、は紀の国わかやま国体・大会の開催にちなんで「タバコとスポーツ―アスリートにはタバコはいらない―」に設定。世界保健機関(WHO)は、スポーツの世界からたばこをなくし、煙のない環境でプレーすることを呼び掛けている。
中京大学スポーツ科学部の家田重晴教授は講演で、昔の体育・スポーツ指導者にみられた「鍛えているからたばこを吸っても大丈夫」などの誤った考え方や、教員の喫煙状況調査で保健体育科の方が他の教科よりも喫煙率が高かった結果などを取り上げ、スポーツ界での禁煙の取り組みを紹介。アスリートに健康モデルになってもらい、一般の健康づくりを進めることなどを提案した。
那智勝浦町立温泉病院の山本康久院長は「わかっちゃいるけどやめられない喫煙~その正体と楽なやめ方教えます~」のテーマで講演。禁煙がストレス減少につながること、喫煙が糖尿病などのリスクを高めることなどにふれ、禁煙治療については、患者も医師も諦めずに何回も挑戦することが重要と話した。
シンポジウムは、同会の北山敏和代表世話人をコーディネーターに、家田教授、山本院長、サッカー指導者でソラティオーラ和歌山の奥野修造理事長がパネリストとして出席。青少年のスポーツ指導に関わる大人の禁煙を進めること、喫煙がスポーツにとって何らプラスにならないという認識を広げていく重要性などが話し合われた。