ふるさとに恩返しを 芸能県人会が15周年
県内出身や在住のプロの歌手、落語家らでつくる和歌山芸能県人会(紀州つれもて会、桂文福会長)が15周年を迎えた。「ふるさとへの恩返し」を合言葉に、訪問する先々で大勢の人に笑顔と元気を届けるメンバーは「継続は力。20周年、30周年に向けて和歌山の芸能界をさらに盛り上げていきたい」と意気込んでいる。
同会は全国で2番目の芸能人による県人会として平成11年に19人で発足。現在は落語家の桂三歩さんや桂枝曾丸さんをはじめ、俳優や歌手、マジシャン、タップダンサーなど、県にゆかりのある多彩な20人が在籍している。
発足当時には会員でユニットを結成し、地元を応援するCD「和歌山LOVESONG21」をリリース。一時は関西の有線放送ヒットチャートで2位を飾り、大きな話題になった。
それぞれの芸を生かした県内でのチャリティー公演をはじめ、ほぼ毎年各地の高齢者施設や知的障害者施設などへの訪問をボランティアで実施。平成23年の紀伊半島水害発生時には、大きな被害を受けた日高川町や田辺市で演芸会などを開き、被災者を勇気づけた。会員の一人で日高川町出身の演歌歌手・日高光路さんは「被災地でも皆さんが笑顔になり、『元気をもらった』と涙を流して喜ばれるお年寄りもいて、うれしかったです」と振り返る。
県内の若手芸能人育成の意味合いも大きい会で、最近新たに30代の若いメンバーも加わり、会員同士の親睦を深めている。那智勝浦町出身の演歌歌手・林健二さんは「家族のような存在です。一人では施設への訪問はできなくても、みんなの協力があってこそ実現できる」と話し、個人の活動とは違った取り組みができるグループとなっている。
15周年を記念し、7月5日に和歌山市内で歌手メンバーをメーンにしたパーティーを開催する(※チケットはすでに完売)。8月には同市内4カ所の高齢者施設や児童福祉施設などを訪ねる予定で、「今後もし『ここへ来てよ』との要望があれば、ぜひ行かせていただきたい」と話している。
問い合わせは事務局の川崎さん(℡090・3846・5679)。