各地にミドルソーラー 地元発電社が整備
県内の中小企業が連携して設立した地域密着型の発電会社、和歌山自然エネルギー発電㈱(和歌山市南材木丁、木村浩造代表取締役)は、かつらぎ町中飯降地区の町有地を借りて中規模の太陽光発電所「ミドルソーラー」を建設する。町有地に隣接する民有地の地権者からも合意を得ており、同地区4カ所に出力60~600㌔㍗のミドルソーラー(計1500㌔㍗)が誕生することになる。
ミドルソーラーは出力50~1000㌔㍗未満の太陽光発電所をいい、1000㌔㍗(1メガ㍗)以上は「メガソーラー」と呼ばれる。
同社は平成25年に設立。今回の4カ所と和歌山市2カ所、紀の川市1カ所、印南町1カ所の計8カ所について、ミドルソーラーを建設するための設備認定を経済産業省から受けている。全てことし中の完成を予定している。
建設資金は、大阪ガス㈱が新エネルギー設備普及のために設立したエネルギー金融サービス会社「エナジーバンクジャパン㈱」と提携して確保した。
和歌山自然エネルギー発電とかつらぎ町は6月26日、町有地の賃貸借契約を締結。町内の利用度が低くなった「ため池」上空への太陽光発電設備の設置についても事業化を検討していくことになった。また「太陽光発電と共生する新しい農業」として、日陰でも育つ農作物の商品開発についても、地域活性化事業の一環で検討を進める。
林業再生に向けて太陽光発電パネルの支柱に間伐材を使うことや、障害者、高齢者の職場確保につなげることも計画しているという。
木村代表は「和歌山の恵まれた自然環境を生かした、地産地消型の自然エネルギー発電を普及させることが地方創生につながる」と話している。