大空襲70年に鎮魂歌 第九夏の大合唱
県第九合唱団(山本光子団長)の公演「夏の大合唱2015」が12日、和歌山市の県民文化会館大ホールで開かれた。和歌山大空襲から70年。犠牲者への追悼の思いを込め、約90人の団員がフォーレの「レクイエム」を響かせた。
15回目を迎える今回のテーマは「平和への祈り」。1部は同市出身のバイオリン奏者、寺下真理子さんを迎え、関西フィルハーモニー管弦楽団と、ブルッフの「バイオリン協奏曲第1番ト短調作品26」などを演奏。2部は藤岡幸夫さん指揮の下、団員たちの穏やかで包む込むような優しさあふれる歌声が響き、会場からは大きな拍手が湧き起こった。
また演奏会の結びには、再び戦争の惨禍が繰り返されることのないように願い、来場者を交えて唱歌「ふるさと」の大合唱もあった。
同市谷の薮添泰弘さん(70)は「素晴らしい合唱団の歌声に感動しました。祖国のために亡くなった方々のことを思い起こし、一人ひとりの心に平和を誓うことが、戦争のない世界につながるのだとあらためて感じました」と話していた。