【AR】桐蔭高が8回連続の全国 缶サット甲子園

 高校生が自作した空き缶サイズの模擬人工衛星「缶サット」を上空で放出し、計測の技術力などを競う「缶サット甲子園」の地方大会が12日、和歌山市加太のコスモパーク加太で開かれ、県立桐蔭高校が全国大会(8月11日~13日、秋田市)への出場権を手にした。桐蔭高校の全国出場は連続8回目。昨年は準優勝しており、ことしは頂点を狙う。

 地方大会はことしで6回目、全国大会は8回目。同校と海南高校、日高高校、開智高校、大阪府立茨木工科高校、京都市の洛星高校の計6校が参加。桐蔭と洛星の2校が全国大会への出場を決めた。

 競技は3人1チームで、自作の缶サットをロケットに載せて打ち上げた。缶サットはカメラや気温などの物理データ取得センサーを搭載。パラシュートとともにキャリアと呼ばれる筒に収納し、ロケット内部に入れて打ち上げる。上空約80㍍に達するとロケットから放出されたキャリアが光を感知し、地面到達までの間に映像やデータを取得する。

 自分たちが設定したミッション(任務)をこなす技術力や独創性、プレゼンテーション力が審査された。

 桐蔭高校の缶サットは着陸時の衝撃を緩和するよう、エアバッグを搭載。昨年はエアバッグに発砲入浴剤を使ったが、ことしはモーターを使って膨らませ、瞬時に大きく膨らむよう工夫して挑んだ。缶サットの重さを1㌔から200㌘に軽量化。気温や高度、紫外線、照度などを測定するセンサーの数を増やしたといい、同校科学部の太田裕紀部長(16)は「全国大会までに、さらに改良を加えて挑みたい。今は缶サットでデータを取っているだけですが、それによってどんな成果が得られるのか、一歩踏み込んだ独自性のあるものにしたい」と意気込んでいた。

全国大会出場を決めた桐蔭高校科学部のメンバー

全国大会出場を決めた桐蔭高校科学部のメンバー(【AR】はこちら)

発射ロケットに缶サットを詰め込む生徒

発射ロケットに缶サットを詰め込む生徒