遠方バイパス開通 紀の川左岸の主要道

 県が平成13年度から整備を進めてきた紀の川市遠方(おちかた)から風市(かざし)の紀の川左岸沿いを結ぶ延長1・4㌔の「遠方バイパス」(県道和歌山橋本線)が11日、開通した。これにより、同線(和歌山市―橋本市間)の延長約50㌔の全線で2車線化が完了し、沿道地域の利便性向上や発展が期待されている。

 同バイパスの幅員は9・75㍍(2車線)。うち車道部が6㍍、片側歩道が2・5㍍。設計速度は時速50㌔で、事業費は約18億円(うち新遠方橋約3億円)。

 開通前まで同地域を結んできた県道13号は、中央線のない全幅4・5㍍の道路で、車の対面交通が困難だった。周辺には市立竜門小学校があるが、歩道は未整備で、通学の難所となっていた。

 全線2車線化が実現した和歌山橋本線は、和歌山市を起点に紀の川左岸地域の紀の川市やかつらぎ町、九度山町を経由し、橋本市までをつなぐ主要幹線道路。県によると、遠方バイパスの開通に伴い、渋滞緩和や交通事故の低減、通学・通勤者の安全性の向上など、沿線環境の改善が期待できるとしている。また、第1次緊急輸送道路として、災害発生時などに迅速な救助、復旧活動に役立つことも見込まれる。

 待望の開通を迎えた11日は、紀の川市が主体で開催した開通式があり、中村愼司市長や仁坂吉伸知事ら来賓24人が出席。テープカットが行われた他、地元の子どもたちが風船を飛ばして、道路の完成を祝った。

 同日午後2時、バイパスの供用が始まると、完成を待ちわびていたドライバーが早速、新しい道路を利用していた。

テープカットで開通を祝福

テープカットで開通を祝福


供用が始まった遠方バイパス(11日午後2時)

供用が始まった遠方バイパス(11日午後2時)