障害のある作家の作品展 は~とぎゃらりー

 和歌山市吹上の県福祉事業団のビル1階「は~とぎゃらりー」で27日まで、障害のある作家たちの作品を紹介する「アールブリュット和歌山展 魂のであうところ」が開かれている。

 県福祉事業団が、設立50周年記念事業として開催。「アールブリュット」とは「生(き)の芸術」などを意味するフランス語。障害の有無に関係なく、一人の作家として活躍できる社会の実現を目指した展覧会。県内にある同団の障害者支援施設を利用する23人が絵画や陶芸、立体など45作品を展示している。

 ある男性が20年以上作り続けているというイヌやネコの形をした陶器の箸置きは表情も愛らしく、400個近くが整然と並ぶ。小さな精霊をたくさん描いたにぎやかな絵画や、本当に音楽を奏でていそうな楽団の陶作品など、生き生きと自由に創作されている。

 画用紙やテープなどさまざまな材料で工作した魚や、アルミ箔で作った昆虫は繊細さが光り、今にも動き出しそうな雰囲気。エビの体は、本物のような透明感と艶が表現されている。

 同団では「芸術作品に、障害のあるなしは関係ありません。試みとしては小さな一歩ですが、さまざまな作品に出合い、何か感じ取ってもらえるものがあればうれしいです」と呼び掛けている。

 無料。午前11時から午後6時まで。水曜休み。10月10日から来年1月31日までは、作家・作品数を増やし、御坊市のぎゃらりーなかがわ(旧中川邸)でも開催。問い合わせは同事業団(℡0739・47・6640)。

魚や磯の生き物の繊細で楽しい作品も

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