「諦めない」車いすライター清水さん講演

 紀の川市は14日、市役所南別館「ホール田園」で人権講演会を開き、車いすライターの清水哲さんが「生きる勇気をありがとう」と題して講演。約300人が耳を傾けた。

 人権について知識を深め、差別のない明るい社会を目指していこうと、毎年開催している。

 清水さんはPL学園高校の野球部に入部し、甲子園で活躍。同志社大学に進学後、試合中に相手選手とぶつかり首を骨折し、重度の障害が残った。現在は、「命の大切さ」などについて、全国各地で講演している。

 清水さんは骨折後、落ち込んでいた時の心境を紹介。入院先の病院で同じように首の骨を折った3歳の女の子がリハビリに取り組んでいる姿を見て、意識を改めてリハビリを始めたことを説明し「野球、リハビリが教えてくれたこと。それは、最後まで諦めるなということ」と話した。それでも両手両足が動かない体はつらく、苦しいとしながらも、「人間は生きることに価値がある。この人生は私の人生。あの時、障害者になってよかったなと思える人生を送っていきたい」と述べた。

 また、高校時代をともに過ごした元プロ野球選手の桑田真澄さんと清原和博さんが買ってくれたという車いすを紹介し、「買ってくれたので仕方なく乗っています」とジョークを展開していた。

講演する清水さん

講演する清水さん