紀南の「道の駅」盛況 紀勢道など開通で

今夏の紀勢自動車道などの開通を契機に、紀南の道の駅などで来客や売上の増加が相次いでいる。県のまとめによると、9月5日にオープンした道の駅「すさみ」は9月の来客数が3万8800人を記録し、開業1カ月間の売上は想定の3倍を上回った。同施設内にリニューアル移転した「エビとカニの水族館」にも9月13~30日、昨年の年間入館者数約2万人に迫る約1万5000人が来館し、休日には入館待ちの行列ができるなど大盛況となった。

紀勢道は7月12日に南紀田辺インターチェンジ(IC)─南紀白浜IC間、8月30日に同IC─すさみ南IC間が開通。道の駅「すさみ」は同IC付近に新設されたもので、全国35カ所の「重点道の駅」の一つに指定されている。

紀勢道の開通は、串本町の道の駅「くしもと橋杭岩」にも影響した。9月の来客数は9680人(前年6643人)、売上は1289万円(同884万円)となり、来客数、売上ともに前年より約45%増えた。

また、新宮市で9月13日に開通した国道169号「奥瀞(おくとろ)道路(Ⅱ期)」により、道の駅「おくとろ」の売上が大幅に増加。奥瀞道路(Ⅰ期)開通後の平成21年と、ことしのシルバーウイークを比べると、ことしは647万円で約65%増えた。宿泊、温泉、レストラン、売店のいずれも好調だった。

北山村の観光いかだ下りも、シルバーウイーク(9月19~23日)5日間のうち3日が全便満席になる盛況ぶりだった。同21年は満席になる日はなかった。

紀勢道の開通後、国道42号・白浜~日置川間の12時間交通量は平日・休日ともに8割減少した。

仁坂吉伸知事は道の駅などの盛況を喜ぶ一方、国道沿い店舗への経済的影響について、「そこに行かないと買えない商品を作るなど、いろいろと考えていかないといけない。県には多くの支援制度があり、考える人には大いに支援していく」と話している。