国補助金なく事業停止 中学校エアコン整備

 和歌山市が進めている中学校の全教室にエアコンを設置する事業が、国の補助金を受けられないことからストップしている。近年、真夏日、猛暑日が増加するなどの状況を受け、快適な教育環境の実現に向けて市は本年度当初予算でも事業費を設定しているが、担当の市教育委員会学校施設課は「国の補助金は事業費の一部だが、補助金なしでは進められない」と、事業再開には慎重な姿勢だ。

 市は、平成25年度の国の経済対策による学校施設環境改善交付金7100万円を受け、26年度は3億7300万円を投じて市内17校の3年生の教室、普通89カ所、特別・特別支援78カ所にエアコンを設置。27年度は、3900万円の交付金を要望し、2年生の普通94教室に設置するため、市の当初予算に3億6500万円を計上したが、交付金の内定が受けられず、事業の執行を停止せざるを得なくなったという。

 仮に本年度中に国の補正予算で交付金が受けられた場合でも、年度内のエアコン設置は日程的に厳しく、来年度に持ち越される見込み。

 また、28年度に計画してきた1年生の教室などに設置する事業の交付金要望額1億600万円(事業費6億3100万円)についても、見通しは立っていないという。

 今月16日には、国の来年度予算や経済対策の補正予算などに合わせて、尾花正啓市長が県選出国会議員や関係省庁に要望活動を行った。エアコン整備事業についても文部科学省や財務省に要望し、早期の整備実現に取り組んでいる。