円熟の音色響かせて 澤クヮルテット25周年
和歌山市出身で、世界的に活躍するバイオリニスト・澤和樹さん率いる弦楽四重奏団「澤クヮルテット」の結成25周年記念演奏会が15日、同市西高松の県立図書館メディア・アート・ホールで開かれ、約230人の聴衆が聴き入った。
澤クヮルテットは1990年に結成。バイオリンの澤さんと大関博明さん、ビオラの市坪俊彦さん、チェロの林俊昭さんの4人からなり、国内外で高い評価を受けている。
今回はデビュー時に披露したプログラムを再演。モーツァルトの弦楽四重奏曲第14番「ハイドン・セット第1番」、ベートーベンの弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」、ドビュッシーの弦楽四重奏曲を円熟した音色で届けた。
演奏の合間、澤さんは、高校生の頃に弦楽四重奏を聴いて涙が出るほど感動し、あこがれを抱いたことや、34歳の時に英国でアマデウス弦楽四重奏団の演奏を聴き、弦楽四重奏団の結成を決意したことなどを紹介。
「同じメンバーで25年続けてこられたことは奇跡に近い。お互い音楽的にも人間的にも尊敬できる仲間だったこと、そして何より、素晴らしい作曲家が4人の演奏家だけのために作った、その曲へのエネルギーに共感してやってこられた」と振り返った。
聴衆は息の合った掛け合いや、美しい響きを存分に楽しんでいた。