医大病院に遺伝外来 出生前診断、乳がん等

 県立医科大学付属病院(和歌山市紀三井寺、吉田宗人病院長)は17日、来年1月から「遺伝外来」を開設すると発表した。患者のかかっている病気が「遺伝性疾患」(発症に遺伝子が関わっている疾患)かどうかや、遺伝性疾患が疑わしい場合に遺伝学的検査を行うかどうかの検討、また「遺伝カウンセリング」を行う。

 毎週1回、水曜の午前に開設。完全予約制(個人予約は不可、診療所か病院からの予約のみ)で、3人の臨床遺伝専門医が対応する。

 遺伝カウンセリングは家族や個人が意思決定できるよう、ニーズに応じた情報提供を行い、補助する。

 同院の遺伝外来では遺伝性疾患のうち、胎児の染色体を診断する「染色体疾患の出生前診断」と、「遺伝性乳がん・卵巣がん」を対象とする。

 出生前診断は、母親の血液を調べる「無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)」と、入院して羊水を調べる「羊水検査」を行う。

 自費診療となり、費用(税別)は、遺伝カウンセリングが初回(1時間まで)7820円、2回目以降(同)5730円。NIPTが14万6450円、羊水検査が8万7600円(別途入院費1泊2日5~6万円)、遺伝性乳がん・卵巣がんのスクリーニング検査が19万1450円。

 診療を担当する総合周産期母子医療センターの南佐和子准教授と吉田病院長が会見し、概要を説明した。南准教授は「遺伝性疾患は決して珍しいものではなく、遺伝カウンセリングは遺伝性疾患の患者や遺伝について不安などを抱えている方のための医療。必要に応じて遺伝学的検査などを行い、正確な診断をした上で適切なカウンセリングを行っていく」と話した。

遺伝外来について説明する南准教授

遺伝外来について説明する南准教授