15年前の思い出 園児のタイムカプセル開封

15年前の平成13年に和歌山市内15カ所の幼稚園などで思い出のメッセージなどを詰め込んだタイムカプセルの返却が、和歌山マリーナシティ㈱(同市毛見)によって順次進められている。当時の運営会社が主催したイベントで、昨年11月3日のポルトヨーロッパ20周年に開封する予定だったが、長い年月が経過したこともあり、予定日にセレモニーが行われることはなかった。

市立山口幼稚園(同市里)では今月9日、タイムカプセルが開封され、当時の園児たちが思い出に浸った。イベントを覚えていた当時教頭の藤井八重子さん(70)を中心に、同社に問い合わせて返却が決まった。

平成13年10月、ポルトヨーロッパのキャラクター「ダイバーダン」が同園を訪問。一緒に遊んだ園児たちは、将来の夢を書いた作文や写真などをタイムカプセルに収めた。

開封式には、当時の園児や保護者、職員、当時園長の津田澄宏さんら41人が集合。タイムカプセルの中からは、年長、年中、年少の園児計27人が当時つづった作文の他、手形や遊び風景のスナップ写真など思い出の品々が現れた。当時の年長児はことし成人式を迎え、晴れの節目にもう一つ、喜びが加わった。

会場では、参加者が久々に出会った友人と近況などを話し合い、在園当時よく遊んだ思い出の公園に出掛けて楽しいひとときを過ごした。カプセルの品々は22人分が本人や保護者に返却された。

藤井さんは「当時のイベントを覚えている保護者もいたので、開封の時が来るのをずっと待ちわびていました」と感慨深く話し、当時のPTA会長の宮本佳子さん(57)は「時間が経過しても、再び会えば当時の思い出が鮮明によみがえりました」と、色あせることのない地域の絆を喜んでいた。

当時を振り返る藤井元教頭㊨と宮本元PTA会長

当時を振り返る藤井元教頭㊨と宮本元PTA会長