根来の歴史と民話 東大名誉教授が講演
岩出市教育委員会は24日、歴史講演会を同市金池の総合保健福祉センターで開き、東京大学名誉教授の五味文彦さんが「根来の歴史と民話~地域の力を考える~」をテーマに話した。
「民話・伝承などを活かした地域活性化事業」の一環として初めて開催。153人の市民が熱心に耳を傾けた。
五味さんは根来地域の民話である「根来のてっぽう」や「住持が池」を紹介し、これらの民話は江戸時代に寺子屋が普及した頃に広がったと説明。「根来の子守唄」にもふれ、歌詞に出てくる「鐘」や「山」「川」などの単語がそれぞれ地域を象徴したものであることを話した。
また、永禄5年(1562)に宣教師ガスパル・ビレラが日本の情勢を伝えた書簡を紹介。根来寺について「皆毎日矢五本を作るを義務とし、常時武器を備え、創立者覚鑁を崇敬す」と記されており、僧兵集団を擁した当時の根来寺の様子を伝えた。