地域振興へ連携協定 県立医大と大阪府立大

 県立医科大学(和歌山市紀三井寺)と大阪府立大学(堺市中区)は4日、産学官連携基本協定を結んだ。医学や農学、工学など互いに強みを持つ分野で協力し、地域産業振興などに向けた研究を進めていく。同日、県立医大の生涯研修センターで調印式が行われた。

 和歌山、大阪両府県内の事業者を主な対象に、地域社会での技術開発や技術教育などの支援、新事業創出など地域の産業振興に寄与することを目的としており、県立医大が他大学と共に産学官連携協定を結ぶのは今回が初めて。

 今後の取り組みとして、医学と工学分野が連携した高齢者の見守りシステムやリハビリ装置機器の研究開発▽工学と農学、医学を生かした農産物の加工、食の安全確保を含めた産業の振興支援▽臨床研究で得た疾患発症リスク分析のために県立医大が行うビッグデータ解析を府立大が工学的な見解から協力、支援――などを進めることを予定している。

 調印式には県立医大の岡村吉隆理事長(学長)、府立大の辻洋理事長(同)が出席。それぞれ協定書に署名した。

 辻理事長は「協定により、新しい研究ができるのではないかと楽しみにしている。たとえば障害者、高齢者のためのスポーツに対して、医学部の方と私たちの工学部、リハビリテーションの学部が一緒に何かできないか。これを機会に連携を深めていきたい」とあいさつ。岡村理事長は「府立大学は工学部や情報工学部など幅広い分野をカバーされている。知恵をお借りして、いろいろな研究を行い、地域に貢献できれば。地域産業の振興も含めて役立つ研究を進めていきたい」と連携に期待を込めた。

協定書を手にする岡村理事長㊧と辻理事長

協定書を手にする岡村理事長㊧と辻理事長