就任300年の吉宗を表現 侍フラメンコ

ことし就任300年を迎えた八代将軍徳川吉宗の物語をフラメンコで表現した「侍フラメンコ~吉宗誕生秘話~」(和歌山市など主催、本紙など後援)が21日、市民会館小ホールで開かれ、市民ら約380人が和洋融合した舞踊の世界を堪能した。平成27年度文化庁「劇場・音楽堂等活性化事業」。フラメンコ出演者の他、県内の児童合唱団や和太鼓グループなど多くの団体も出演し、総勢100人近い出演者でステージを盛り上げた。

和歌山フラメンコ協会会長の森久美子さんが中心となり、2年前に初演した「侍フラメンコ~吉宗~」をリメーク。劇団ZEROの島田忠さんを語り部に迎え、さらに物語を分かりやすく表現した。来賓の尾花正啓市長は「吉宗就任300年の年に大変意義深い公演だ」とあいさつした。

フラメンコは森久美子フラメンコ舞踊団、同協会、フラメンコ教室「ラ・ダンサアンダルシア」のメンバーの他、本場からヘスス・アギレラ、パウラ・サンホァン両氏をゲストアーティストに迎えた。

ステージは、力強い和太鼓の音色と「紀州手まり歌」で幕開け。ホールにはリズミカルなギター、声量豊かな歌声、情熱的に床を踏み鳴らす靴音が響き、琴の雅やかな演奏も各場面を盛り上げた。

かわいい子ども忍者による連続バック転などのアクロバティックなパフォーマンスもあり、観客から笑みがこぼれた。

アギレラ氏らによる本場のフラメンコは大迫力。森さんも華やかな衣装で大奥などを表現した。

公演を終え、観客の女性は「よく考えられていて見応えがあった」と大満足。森さんは「地域活性事業ということで、地元の皆さんを含め総勢100人近くの出演となり、時間との戦いだったが、各グループ、この日のために稽古していただき、とても良い会になった」と笑顔。本公演は4月7日にスペインでも上演する予定で、「和歌山の紀州手まり歌や熊野古道、吉宗の物語を、スペインの方たちに楽しんでいただけるように頑張ってきたい」と話していた。

フィナーレでダンスする森さん

フィナーレでダンスする森さん