双子で国際コンク決選へ バレエ高橋姉妹
和歌山市立広瀬小学校4年生の双子の姉妹、髙橋茉莉亜(まりあ)さん・友莉亜(ゆりあ)さんが、昨年末に兵庫県で開かれた国際バレエコンクール「ユースアメリカグランプリ(YAGP)」の日本予選を通過し、4月にニューヨークで開かれる決選への進出を決めた。2人は「世界中から上手な人が集まってくる大会に、2人一緒に出られてうれしい。精いっぱい頑張りたい」と意気込んでいる。
日本予選は各部門に分かれ、全体で延べ約740人が出場。プリコンペティティブ部門(9歳~11歳)で茉莉亜さんがトップ12に選ばれ、2人で出場したアンサンブル部門(グループ)でファイナリストに選出された。
YAGPは、アメリカをはじめ世界有数のダンススクールで奨学生として学ぶ機会を与えるバレエコンクール。国籍を問わず、9歳から19歳までを対象にしている。
決選は、中国やフランス、メキシコ、ブラジルなど世界7カ国の予選を通過したダンサーが競う。
2人が通うRGBレイグランバレエ(本校=堺市)和歌山教室(和歌山市北ノ新地東ノ丁)は、海外で活躍した一流の講師陣が指導している名門バレエ教室。2009年度ローザンヌ国際バレエコンクールにも出場した県出身の浦幸乃さんをはじめ、世界で活躍するダンサーを数多く輩出している。
予選で、ドルシネアのバリエーションを踊った茉莉亜さんは、テクニックに走らない基本に忠実な動きが高く評価された。「本選ではもっとバランスがうまく取れるように、しっかり練習したい」とさらに上を目指す。
2人で挑むプログラムは「海と真珠」で、もともと双子のために振り付けされたかわいらしい踊り。アンサンブルは特に調和やフォーメーション、空間の使い方など、高い表現力が求められる。
双子とはいえ2人は二卵性。足のラインや体の柔軟性、得意な動きは違い、友莉亜さんは「予選は少しふらついてしまったので、次はもっと息を合わせたい」と話す。決選に向けては、微妙に違う2人の音の取り方など細かい点を調整し、表現を高めていくという。
RGBレイグランバレエ主宰で、2人を指導する滝野礼さん(39)は「日本と海外では審査の基準も大きく違い、雰囲気も全く異なります。海外で活躍したいという思いの強い2人なので、さらに視野を広げてもらう機会になるはず」と期待を寄せる。
世界を舞台にした憧れのステージに臨む緊張感の中でも、2人は「他の国の同じぐらいの年の子たちがどれくらい上手なのか、踊りを見るのがすごく楽しみ」と笑顔で話している。