吉宗ゆかりの資料寄贈 東南RC45周年記念
和歌山東南ロータリークラブ(RC、平平治会長)の創立45周年記念式典が2日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で開かれた。会員や姉妹クラブ、来賓らが集い、記念事業などを披露し、節目を祝うとともに、今後のさらなる発展を願った。
同RCは昭和46年2月に25人で発足。青少年育成奉仕を継続事業とし、県立向陽高校への支援、生徒との交流、市軟式野球連盟学童部東支部への支援などを続けている。
45周年記念事業として、市に「徳川治宝(はるとみ)自画賛 円窓梅花図」「徳川吉宗寄進 灯籠基礎」を、市軟式野球連盟に乗用芝刈機を、和歌山電鐡㈱に貴志川線駅ホームのベンチを寄贈した。
「徳川治宝自画賛円窓梅花図」は不老橋の建設を命じたことで知られる紀州10代藩主・治宝が題詩と絵を描いたもので、治宝の文化的な素養を物語る資料。20日から同市一番丁のわかやま歴史館で展示される。
「徳川吉宗寄進 灯籠基礎」は長く大阪の美術商にあったもので、同RCにより里帰りが実現。青銅製で「紀伊国主権中納言従三位源吉宗」の文字と細やかな模様が刻まれていることから、吉宗が紀州藩主のころ、領内の寺社に何らかの目的で灯籠を寄進したと考えられるが詳細は不明。吉宗の名が入った貴重な資料であり、ことしの将軍就任300年にちなむ展示企画での公開を検討している。
記念式典には仁坂吉伸知事、尾花正啓市長、姉妹クラブである台北東南RC、熊本東南RC、和歌山市内8RCの会員らが出席した。
平会長(70)は「長きにわたる活動で最も感謝しているのは、多くの尊敬できる友人を得たこと。まずスマイルで人々に親しみと安らぎを与え、次に何ができるかを考えて、平和な気持ちへと導いていければ」とあいさつした。
仁坂知事は「昨年の国体では『紀の国わかやま国体・大会おもてなし大清掃』と題して環境の整備にご協力をいただいた。今後も素晴らしい取り組みを期待している」、尾花市長は「誰もが住みたくなる、活力ある和歌山市をつくっていくための市政運営に、貴クラブのお力添えをいただきたい」とそれぞれ祝辞を述べた。