伊勢路旅⑬三重県尾鷲市(4)

前号では熊野古道伊勢路の情報発信基地として整備された県立熊野古道センターを取り上げた。電車とバスあるいは自家用車でのアクセスについて記載したが、和歌山から尾鷲までの移動は大変なのではないかと思う方もおられるだろう。

近年、三重県内では自動車専用道路の整備が進み、東紀州エリアへのアクセスが格段に良くなっている。今週は伊勢路へのアクセスに便利な、熊野尾鷲道路と紀勢自動車道を紹介したい。

熊野尾鷲道路は、熊野市の熊野大泊ICと尾鷲市の尾鷲南ICを結ぶ延長18・6㌔の自動車専用道路。熊野大泊ICは以前紹介した鬼ヶ城の程近くにある。従来の国道42号では熊野市から尾鷲市の区間において峠道が連続することからスピーディーな移動が難しい上、雨の多い地域であるために土砂災害などで度々道路が寸断されることがあった。2013年9月に開通し、同区間の所要時間が従来と比べ約20分の短縮となり、ドライバーや同乗者の負担も軽減。災害時の代替路としても期待されている。通行料は無料。

また、尾鷲市の尾鷲北ICと勢和多気(せいわたき)JCTを結ぶ延長55・3㌔の紀勢自動車道も同様の役割を期待され、2006年3月から一部供用を開始。2014年に同区間が開通している。尾鷲北ICと紀伊長島ICの区間は通行料無料。紀伊長島IC以北は有料となる。勢和多気JCT以北は三重の大動脈といえる伊勢自動車道に接続していることから、名古屋・大阪方面からのアクセスが大幅に向上。和歌山からは西名阪自動車道、名阪国道を経由し合流できる。

伊勢路が通る東紀州エリアへのアクセスとエリア内のスムーズな移動に、ぜひ活用してほしい。

熊野尾鷲道路「熊野新鹿I.C」付近。サミット期間中の交通規制を告知する掲示も

熊野尾鷲道路「熊野新鹿I.C」付近。サミット期間中の交通規制を告知する掲示も

(次田尚弘/尾鷲市)