最優秀英語教師に 山本トレイシーさん

和歌山市で英会話教室を開いている英国出身の山本トレイシーさん(42)が昨年度、NPO法人英語授業法研究会(TEMI、内田壮平理事長)の「最優秀教師賞」に選ばれた。県からは初の受賞。山本さんは「みんなのために教えているだけだったので、賞をもらえるとは思わず、びっくりしています。私の指導を見た人が評価してくれたと思うと、とてもうれしい」と喜んでいる。

同会は、優れた全国の英語教師を東日本、中日本、西日本の各ブロックから毎年1人ずつ表彰しており、ことしで4年目。山本さんは、自ら開いた英会話教室「トレイシー・イングリッシュ・スクール(TES)」の北教室(宇田森)と屋形町教室(弁財天丁)で、幼児から大人までを対象に教えている他、特別講師として砂山小学校や和歌山大学付属中学校でも授業を行っている。

世界旅行に興味があった山本さんは、17歳の頃に友人と欧州各地、18歳の頃に一人で米国を旅した。「世界を巡りながら英語を教えてみたら」と友人からアドバイスを受け、大学卒業後は英語を外国語として教えるための専門教育をスペインで受け、資格を取得。平成11年に来日し、全国展開の英会話教室で、同市の教室を担当することになった。

当初は日本、タイ、中国など、アジア各国で一年間ずつ英語教師をして回る予定だったが、「身を守るために」と来日してから通っていた極真空手教室の先輩と平成17年に結婚。和歌山での暮らしに落ち着いた。翌年に北教室、同21年に屋形町教室を開校し、英語を教えている。

「日本で使われている英語の教科書は難しい」と、山本さんの授業は会話が中心。「教科書に載っている英文しか話せない子どももいる。英語を話す機会を増やすことが大切」と話す。「子どもの成長を見ると涙が出るほどうれしい」とやりがいを語り、「日本の方は間違えることを気にしすぎるところがあると思います。自信を持って、何度でも英語を話してほしい」と笑顔を見せた。

表彰状を手に山本さん

表彰状を手に山本さん