モササウルスの新曲初演へ 7日自然博で
恐竜時代の海に生息した爬虫(はちゅう)類「モササウルス」の化石が有田川町で発掘されて10年。クリーニング作業を終え、海南市船尾の県立自然博物館で展示されている。5月7日、同館でモササウルスの魅力を語り合う談話会を開き、日本アカデミー賞受賞作曲家によるモササウルスをモチーフにした新曲が「和歌山“モサ”記念サックス五重奏団」の演奏で初演される。 同館、音楽による地域活性化などに取り組む市民団体「わかやまワッパプロジェクト」が共催。演奏会には、数多くの映画やドラマなどのテーマ曲を手掛け、世界各国で演奏活動を展開するサックス奏者、日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞の本多俊之さんが出演する。
本多さんは同プロジェクト代表責任者である安養寺(同市名高)の長谷川義則住職と親交があり、同寺で開かれる演奏会にたびたび出演。恐竜好きの本多さんは、県内からモササウルスの化石が発掘されたことに驚き、展示される頃には「モササウルスの化石の前で何か吹けたらなぁ」と思い立ち、長谷川住職と共に演奏会に向けて準備を進めてきた。
「モササウルスのために曲を書く」と意気込んだ本多さん。餌を捕らえる時の激しさや水中をはうミステリアスな雰囲気などを表現した新曲「モサのテーマ」を作曲した。
本多さんと共に演奏するのは、同プロジェクトメンバーで和歌山赤十字看護専門学校1年の今村紗那さん、県立和歌山商業高校2年の濱井響君、県立星林高校2年の田渕ひかりさん、会社員の荒井優佑さん。16日には同寺で初めて新曲のリハーサルがあり、本多さんの指導の下、音を合わせた。
当日は新曲をはじめ恐竜にまつわる3曲を演奏する。本多さんは「この日は県立自然博物館を恐竜デーに。奏者も観客も一緒になって楽しみたいですね」と話し、来館を呼び掛けている。
談話会、演奏会は午後0時45分から3時まで。同館学芸員の小原正顕さんによる基調講演「モササウルス発掘秘話」と演奏に続き、本多さん、古生物イラストレーター・川崎悟司さん、化石ハンター・宇都宮聡さんらパネリストがモササウルスを語り合う。
定員60人。入館料が必要。申し込み、問い合わせは同館(℡073・483・1777)。