古代ロマンの南海道 ウオークガイド完成

紀の川流域文化遺産活用地域活性化協議会(山口裕市会長)は、奈良時代から平安時代にかけて紀北地域に整備された、紀伊半島、淡路島、四国を結ぶ五畿七道の一つ「南海道(なんかいどう)」を紹介するウオーキングコースのガイドブックを完成させた。オールカラーの全38㌻。5000部製作し、同協議会事務局のNPO法人市民の力わかやま(和歌山市橋丁)や、紀の川流域の各自治体で配付されている。

平成27年度に文化庁の「文化遺産を活かした地域活性化事業」に採択され、約400万円の補助を受けて製作した。

南海道は、馬などで都に向かうルートとして整備、使用されていたとされ、幅員は6㍍ほどあり、両端に側溝が設置されていたという。ルートの推測は、古代の国家により設置された「駅家(えきか)」に関する史料などから、県内高校の元教諭で日本史の専門家、長谷正紀さん(65)の研究などを基に選定した。

設定した13地域のウオークコースは、鉄道の駅などを起点・終点とし、日帰りで歩けるよう1コース当たり10~15㌔程度に設定。各コースには、かつて存在した寺社や遺跡なども豊富にあり、南海道上や周辺を歩きながら、施設や遺跡見学などが楽しめるように考えられている。

利用した歴史ファンからは「文化遺産の歴史が詳しく書かれていて、勉強になる」などと好評を得ているという。

同協議会事務局の岩倉俊夫さん(45)は「現代と古代を結ぶガイドブックで、歴史とウオーキングを楽しんでください」と活用を呼び掛けている。

問い合わせは同事務局(℡073・428・2688)。

「古の紀北地域に思いをはせて楽しんでください」と岩倉さん

「古の紀北地域に思いをはせて楽しんでください」と岩倉さん