平成30年に看護学部開校へ 4者協定

 青葉学園東京医療保健大学(田村哲夫理事長)、県、和歌山市、日赤和歌山医療センター(平岡眞寛院長)の4者は30日、平成30年開校予定の同大和歌山看護学部(仮称)設置に向けた連携協定を締結した。県内約250人ともいわれる看護師不足の解消や、まちなかへの大学誘致の実現により、中心市街地活性化などが期待される。

 設置場所は、市立伏虎義務教育学校の開校後に跡地となる同市東坂ノ上丁の市立雄湊小学校。現在の3階建て校舎と体育館を市が譲与し、改修して活用する。グラウンドは伏虎義務教育学校のサブグラウンドとして使用する。

 開校後、1、2回生は東坂ノ上丁の校舎で学び、3、4回生は和歌山赤十字看護専門学校から引き継いだ校舎を使用する。1学年の定員は90人の予定。

 締結式が県庁で行われ、田村理事長、仁坂吉伸知事、尾花正啓市長、平岡院長が出席。田村理事長は「少子高齢化などによる医療ニーズの変化に対応する、質の高い看護師を養成したい」。仁坂知事は「話がうまくいかない時期もあったが、全ての問題がクリアーしたことをうれしく思う」。尾花市長は「大学が少ないために9割が県外に進学している現実があるので、まちのにぎわいに貢献してくれることを期待している」。平岡院長は「日赤精神を共有しながら新しくできる看護学部を支え、良い学校にしたい」と、それぞれの思いを述べた。

 運営への行政支援については、校舎改修費の一部を市が支援する他、県と市が開校後の運営支援なども検討していく。また、市は地域の人材育成の観点から、同大の入学試験に「市民枠」の設定などを大学側に要請していく方針。

協定に調印した(左から)尾花市長、平岡院長、田村理事長、仁坂知事

協定に調印した(左から)尾花市長、平岡院長、田村理事長、仁坂知事