災害時の情報発信強化 和歌山放送FM開始
災害時の情報伝達を強化し、難聴地域を解消しようと、和歌山放送(和歌山市湊本町)は5月30日、AMの番組をFMでも放送するFM補完放送「ワイドFM」の本放送を開始した。
これまでのAM放送の周波数の送信所は、海沿いにあることが多く、南海トラフ巨大地震などで送信所が被害を受け、放送ができなくなる可能性があったため、県が国の補助を受けて海南、御坊、田辺の各市の高台に送信所を設置。和歌山放送が施設を借りて運用する。
同日、和歌山放送のロビーで開局式典が行われ、中島章雄社長が「和歌山放送は、これからもリスナーの皆さまの目となり耳となって、温かい心のいっぱい詰まった放送を、AMでもFMでもダブルでお届けしてまいります」とあいさつ。 この日は会場の中継を交えた特別番組も放送され、仁坂吉伸知事は「県にとって、県民の皆さんへの災害時の情報伝達は死活的に大事なことで、開局は大変喜ばしい。災害時には携帯ラジオを持って逃げてほしい」と呼び掛けた。
続いて、中島社長と仁坂知事、総務省近畿総合通信局の関啓一郎局長がスイッチを押し、ワイドFM放送のスタートを祝った。
周波数は、和歌山エリア(和歌山市や岩出市、紀の川市、有田市など)が94・2MHz、御坊エリア(日高町や美浜町など)が92・4MHz、田辺エリア(みなべ町や白浜町など)が91・6MHz。県内全域を補完するため、新宮市と串本、九度山の両町にも、本年度中に中継局が設置される予定。