無敬語地帯を調査 府大に下津二中生が協力
「無敬語地帯」と呼ばれる地域での待遇表現の研究の一環として、大阪府立大学大学院人間社会学研究科の西尾純二教授が海南市立第二中学校(木村拓司校長)を訪れ、2年生の橋本和磨君(13)が調査に協力した。
近畿地方には「行った」を「行かはった」、「する」を「しはる」というように、人の待遇によって言葉が変わる待遇表現があるが、和歌山の一部地域は、待遇で言葉が変わらないことから「無敬語地帯」と呼ばれている。
西尾教授は無敬語地帯では目上の人、家族、友達などの別によって本当に待遇表現に変化などがなかったのかを調べており、JR紀勢本線和歌山駅―紀伊田辺駅間の各駅周辺に住む主に10~70代の地域住民を対象に方言や習慣を聞き出し、調査している。
5月29日、橋本君は加茂郷地区の対象として調査を受けた。くるぶし、つむじなどの体の部位をはじめ、机を持ち上げることを「机を下げる」と言うなどの動作の呼び方、家族や友人、先生との会話などについて回答した。
橋本君は「僕たちが普段使っている言葉も、地域によってこんなに違うことを知りました」と話していた。調査を終えた西尾教授は、言葉で分かる地域の文化など言葉の面白さについて強調し、「自分の地域の言葉に愛着を持ってほしい」と呼び掛けていた。