平和をどう守る 憲法・安保3候補の考え
10日投開票の参院選。野党統一候補擁立につながった安全保障法制や憲法改正の動きへの反発は強くあり、投票の重要な判断材料になっている。与党・自民党は、平成24年4月に独自の日本国憲法改正草案を発表し、9条に国防軍の保持を明記するなどしているが、今選では争点化を避けている。和歌山選挙区3候補の憲法観や安保政策を見る。
改憲派の幸福実現新人の西本篤候補(46)は、9条を改正し、防衛軍を設置すると主張。水爆実験や長距離弾道ミサイル発射などの軍事的動きを強める近隣国に対応するため、自衛のための核装備を進めると明言している他、防衛予算の倍増や、景気対策にも寄与するという国防債の発行などの国防強化策を訴える。
無所属新人の由良登信候補(64)=共産・社民・生活推薦=は、安保法制の廃止と、「存立危機事態」を認定すれば自衛隊が他国軍と共に武力行使ができるとする集団的自衛権行使容認(平成27年5月政府閣議決定)の撤回を掲げ、護憲の立場を強調。防衛費の増大に反対し、武器輸出停止にも言及している。
自民現職の鶴保庸介候補(49)=公明推薦=は、党是に掲げる自主憲法の制定に賛成の姿勢。改憲しても、現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つの基本原理は堅持を強調する。国民の生命・財産、領土・領空を守るために、同盟国や友好国との連携強化が、抑止力の向上につながると主張する。