天神祭盛り上げたい  北畑さんら夜店の金券協力

24、25の両日に、和歌浦天満宮(和歌山市和歌浦西)で行われる「天神祭」(ふるさとまつり)を盛り上げたいと、地元に住む北畑充香さん(43)が露店の組合や同宮と協力し、近隣の小中学校の児童や生徒に、夜店で使える金券を無料配布。例年よりも露店数を増やして、子どもたちを迎える。北畑さんたちは「地域の夏祭りを盛り上げ、子どもたちに楽しい夏の思い出をつくってほしい」と願っている。

「天神祭」は、祭神である菅原道真の命日にちなみ、全国各地の天満宮で行われる夏祭り。無病息災を願い、暑い夏に邪気をはらう神事もある。

北畑さんは和歌浦に嫁いで20年以上。過去には、天神祭の日限定で昔売られていた人気菓子「ケンケラス」の復活にも携わってきた。最近では地域の子どもの数が少なくなった上に、習い事などで忙しい子も多く、祭りに参加する子どもの数が減少。少し活気をなくしていることを寂しく思い、子どもたちに無料の金券(100円×3枚)を配り、祭りに来てもらおうと企画した。出店する和歌山移動店舗協同組合に相談したところ、組合も北畑さんの思いに賛同。本祭りの露店数は例年20店ほどだが、ことしは約30店に数を増やそうと準備を進めている。

父親の代から同宮との付き合いという、同組合副理事長の久保勝紀さん(64)は「子どもが来れば親やおじいちゃん、おばあちゃんも来て、にぎわいも出る。少しでも盛り立てに役立てるなら」、和歌浦天満宮の小板政男宮司(76)は「今回、3者が一体となった取り組みなので、ぜひ多くの方に氏神様のお祭りに来てもらいたい」と話している。

すでに金券付きのチラシは学校側に配布済み。北畑さんは「私にとって、和歌浦の夏と言えば天神祭。子どもたちが大人になってからも自分の子を連れてお参りに来たり、懐かしい話をしたりできるような、楽しい夏の一日になれば」と話している。

24日は宵祭り、25日が本祭り。25日は先着200人(午後6時~)に駄菓子をプレゼント。ことしは初の試みとして、本祭りで大道芸もあり、楽しいパフォーマンスで盛り上げる。夜店は両日とも午後4時半~9時半ごろまで。25日は罪やけがれをはらい清める、茅の輪神事(午後6時~)の他、琉球空手舞踊とエイサー太鼓(7時~)も披露。両日とも神楽殿では詩舞や日本民謡、剣舞や詩吟などが奉納される。

準備が進む境内で北畑さん、久保副理事長、小板宮司(左から)ら

準備が進む境内で北畑さん、久保副理事長、小板宮司(左から)ら