女性社長最多の1987人 5年で1・4倍に

東京商工リサーチ和歌山支店がまとめた平成27年「和歌山県女性社長」調査によると、県内の女性社長は調査開始の平成23年以降最多の1987人(前年1887人)で、5年間で約1・4倍に増えた。サービス業など小資本でも起業が容易な業種で特に増加傾向が見られる。

同社が全国約280万社を調査。都道府県別で女性社長数が最も多かったのは東京都の8万6274人で6年連続のトップ、最少は前年に続き鳥取県で1232人。和歌山県は37位(前年35位)で、近畿2府4県では、大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀に次ぐ最下位だった。

企業数と女性社長数を対比した「女性社長率」の全国平均は11・8%で、前年に比べ0・3㌽上昇。最高は東京都の14・3%、最下位は岐阜県の7・9%だった。和歌山県は10・5%の27位で、近畿2府4県では兵庫、大阪、奈良、京都に次いで5番目。「女性社長率」が低い地域では「1世帯平均構成人員」が多い傾向があることから、家事や育児、介護などの家庭負担が女性の起業に大きく影響していることが推測される。

女性社長の増加について同支店は、政府が成長戦略の柱の一つに「女性の活躍推進」を位置付けたことや、同族企業が多い中小企業で事業意欲のある娘を後継者にするケースが増えていること、自治体や金融機関が女性の「プチ起業」を支援する創業融資の実績を伸ばしていることなどが背景にあると見て、当分は女性社長の増加が続くだろうと分析。「女性の起業や経営者の増加は、経済活性化につながることが期待されるだけに、よりきめの細かい成長戦略に沿った実効あるサポートが求められる」としている。