吉宗300年イベント続々 東京でもPR

 徳川吉宗の将軍就任から300年。就任日に当たる28日からは、和歌山市内で記念イベント「吉宗ウイーク」が始まる。9月は記念行事が数多く催され、尾花正啓市長は、吉宗と縁が深い東京都港区の赤坂氷川神社の赤坂氷川祭に参加。時代劇ドラマ「暴れん坊将軍」で吉宗を24年にわたり演じた俳優の松平健さんと対談した他、和歌祭保存会のメンバーが同祭の巡行に加わり、沿道の観客らに和歌山をPRした。

 対談は赤坂の区民ホールで行われた。尾花市長は、吉宗が生後、厄払いのためにいったんは捨て子にされ、和歌山市の刺田比古神社の宮司が拾い親になった逸話や、吉宗が享保の改革による新田開発のため、利根川から水を引く「見沼代用水」を造らせた歴史などを紹介。また、紀州藩に仕えた名取三十郎正澄が著した忍術書『正忍記』や、和歌山城で活動するおもてなし忍者などについて話し、市の魅力をアピールした。

 松平さんは和歌山の印象について、「城自体は派手ではないが、紅葉渓庭園の四季は素晴らしく、人も素朴で親切。おもてなし精神がある」と、親近感を持っていることを話した。

 巡行では、同保存会のメンバーら35人が、松平さんが乗った白馬の後で約2㌔のコースを練り歩いた。ビル群の間や下町風景が残る路地などを巡り、勇壮な武者・甲兵で魅了した他、喜怒哀楽の表情を表した百面の装着も披露し、沿道の観衆に、かつては日本三大祭の一つと呼ばれた「和歌祭」の一端を発信した。

 同行した紀州東照宮の西川秀大禰宜(43)は「氷川神社の氏子と和歌祭保存会のつながりもできた。吉宗公でつながったこの縁で、交流を続けていきたい」と話していた。

武者姿で巡行に参加した和歌祭保存会(紀州東照宮提供)

武者姿で巡行に参加した和歌祭保存会(紀州東照宮提供)