りら製作中の望遠鏡模型展示 紀美野文化祭

ことし4月から紀美野町のりら創造芸術高校(山上範子校長)の生徒が製作を進めている、みさと天文台の「口径105㌢カセグレン式望遠鏡」の実寸模型が29、30日、同町神野市場で開かれる「町文化祭」(29~31日)で展示される。本年度中の完成を目指しており、会場には途中経過の模型が並べられる。

みさと天文台友の会の依頼を受けて、同校サイエンス・アート部の7人が製作。多くの人に同天文台が有する世界屈指の口径を誇る望遠鏡の魅力を味わってもらおうと、教材として持ち運びのできる実寸の模型をつくることになった。

生徒は昨年3月に同天文台を訪れ、計算式から実寸を割り出すなど望遠鏡の寸法を測定。3Dデータに起こした後、製作するパーツの分担を決め、素材を決めたり、木材や発砲スチロールを切り出したりして取り組んできた。

展示するのは望遠鏡の中心部分となる「センターピース」から上部までの高さ約3㍍。製作過程の様子をまとめたパネルとともに展示する。

3年生の長谷飛汰(ひゅうた)君(18)はセンターピースと副鏡やトップリングなどの上部とをつなぐパイプ「トランス・フレーム」を担当し、夏休み期間中に製作。塩化ビニルパイプを用いて、実物と同じ角度でつなぎ合わせられるよう、ミリ単位の細心の注意をはらった。「工程は簡単なものではありませんでしたが、少しずつパーツができてくると達成感がありました」と振り返る。

また、望遠鏡の中の仕組みも分かるよう製作。「望遠鏡を知らない子どももいるかもしれない。展示を通して『こんな物が地元にあったんだ』と感じてもらえれば」と来場を呼び掛けている。

出来上がってきた実寸模型

出来上がってきた実寸模型