知事「予防難しい」 脱税社長からの献金で

 仁坂吉伸知事の資金管理団体などが、脱税で有罪判決を受けた紀の川市のナット製造会社の男性社長から献金を受けていたことが分かり、29日午後、報道陣の質問に応じた仁坂知事は「男性が脱税していた事実は知らなかった。たまたま献金としてもらっていただけのこと」と説明した。

 政治資金収支報告書によると、資金管理団体「仁坂県政を育てる会」に平成25、26年にそれぞれ10万円、「仁坂吉伸後援会」に26年に10万円の計30万円が献金されている。

 この男性社長は25年4月から1年間、法人税約2600万円を脱税したとして法人税法違反の罪に問われ、ことし6月、和歌山地裁から懲役10カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けている。

 仁坂知事は、男性が3月に起訴された後、4月にも献金があったことを明らかにし、「県政の制度上、献金していただいたからといって、その人に有利になることは論理的にあり得ない」とした上で、「和歌山を良くしたいと助けていただく方の好意はありがたく受けている。誰からいくらもらったか、あまり関心はない。脱税は本人が反省すべき」と話した。

 返金の意向については「どうしたらいいか困っている」とし、今後の防止策について「個々のプライベートについては関与しない。予防は難しい」と述べるにとどめた。

報道陣の質問に答える仁坂知事(29日午後、県庁で)

報道陣の質問に答える仁坂知事(29日午後、県庁で)