工高生デザインコンク入選 和歌山工の3人

 日本建築協会が主催する「第62回工高生デザインコンクール」で、県立和歌山工業高校(和歌山市西浜)建築科2年の岩田丈希君、網代隼人君、岸本和真君の3人による作品が入選した。「和歌浦交流地帯~異文化交流と憩いの場~」と題して、和歌浦を訪れる外国人観光客と地域住民が交流する施設をデザインし、高い評価を受けた。

 同コンクールは、高校生の設計技能の向上を目的に開かれ、課題に合わせて作品を設計するもの。今回は「私のまちのインフォメーションセンター」の課題に全国16校から114作品の応募があり、最優秀賞1点、優秀賞2点、入選7点が選ばれた。

 3人は建築技術クラブの部員としてこれまで、コンペへの出展、資格試験に向けての勉強などに取り組んでおり、同コンクールには今回初めて応募した。

 入選作「和歌浦交流地帯~異文化交流と憩いの場~」は、和歌浦を訪れる外国人観光客と地域住民が交流でき、住民にとっての憩いの場を造りたいとの思いで、レストランとインフォメーションセンターを設計した。

 レストランは231平方㍍の鉄筋コンクリート造り。テラスとホールも備えている。和歌浦にはレストランのような施設が少ないと考え、観光客の需要と住民の行きやすさ、相互交流ができる場所は何かと検討した結果、設計することになったという。

 インフォメーションセンターは320平方㍍の木造。観光案内所、集会所や会議室など、こちらも観光客と住民が共に利用でき、寄り道しやすい施設を目指して設計した。

 この2施設には「1つの通り道」というコンセプトがある。3人が実際に和歌浦を現地調査した際、路地が多いことに気付き考案。細い路地と広い国道をつなげようと、インフォメーションセンターには建物の間に広い通路が設けられ、レストランのホールは通り抜け可能になっている。

 応募の際は、設計図と調査や考察をA1サイズの用紙にまとめた。3人は手描きで製図し、スケッチも丁寧に描き込み、製作作業は大変だったという。11月に綿業会館(大阪市中央区)で行われた表彰式では、意見交流会で自分たちの作品について審査員に発表。審査員からは、図の見やすさや、和歌浦地域をよく調べ、周辺環境が読めている点などが評価された。

 部長の網代君は「せっかく図面を描いたので、将来的に建築できれば」、副部長の岩田君は「(他の)コンクールに何度か出していたが、入選したのは初めてでうれしい」、岸本君は「入選できてうれしい。力を入れて取り組めば、もっと上も目指せたのではないかと思う」とそれぞれ喜びを語った。

 同部顧問の上田裕子教諭(32)は「3人で意見を出し合い、それぞれの得意分野を出せたと思う。地域に密着して取り組んだことが、今後の学びにもつながっていけば」と話していた。

作品の模型を前に(左から)岩田君、網代君、岸本君

作品の模型を前に(左から)岩田君、網代君、岸本君