教員養成など連携 和大と泉南8市町が協定

和歌山大学教育学部(永井邦彦学部長)と大阪府の泉南地区5市3町の教育委員会は27日、学校への学生ボランティア派遣や教職員の研修などの充実を目指して包括連携協力の協定を締結し、同日、同大で調印式が行われた。

協定を結んだ5市3町は、岸和田市・貝塚市・泉佐野市・泉南市・阪南市・熊取町・田尻町・岬町。調印式には各市町教委の教育長や大学関係者が出席し、協定書に署名した。

永井学部長は「本学は地域密着を大切にしている。これまでは(密着の対象が)県内に限られていたが、大阪府出身の学生も増えており、地域の範囲を大阪南部を含めた和歌山圏域として考えていく。質の良い教員養成に向け大学が持つノウハウを提供していきたい」と意気込みを示し、貝塚市の西敏明教育長は「協定は願ってもない話。教育現場は団塊世代の退職に伴う急激な教員の若返り、小学校における道徳や英語の教科化、教員の長時間労働など、多くの難題に直面している。現場の変革に向けて大学の知恵を借りたい」と応じた。

永井学部長によると、同大の教員養成課程に入学する学生のうち大阪府出身者が占める割合は、平成26年度の26%から本年度は37%に増加しており、泉南地区の学校でボランティアに参加する学生も少なくないという。

これまではボランティアの派遣や若手教員の研修を巡って各学校と直接やり取りしていたが、教育委員会と連携することで、受け入れなどがスムーズに進むことが期待される。

協定には、学校現場の実情などに関する情報の提供や教育上の問題に関する調査研究の実施も盛り込まれた。

同大は、平成23年に和歌山市教育委員会と包括連携協定を締結している他、県教委とも平成11年に連携協議会を立ち上げている。

協定書を手にする永井学部長(左から5人目)と8教委の代表ら

協定書を手にする永井学部長(左から5人目)と8教委の代表ら