玉林園が新工場建設へ 県・和歌山市と協定

抹茶ソフトクリーム「グリーンソフト」の製造販売などで知られる㈱玉林園(林和宏社長)は、和歌山市出島の本社工場近くに新工場を建設することを決め、13日、市役所で市、県と立地協定に調印した。

同社は近年、回転ずしやハンバーガーなどの大手外食チェーンやコンビニエンスストアのデザート食品を多く受託製造しており、平成24年5月に完成した現工場が手狭になってきたことから、約2年前から新工場の建設可能な土地を探してきたという。

新工場の建設予定地は、同市出島の本社工場と道路を挟んで隣接する土地。敷地面積は796平方㍍、延べ床面積は1204平方㍍で、投資額は約2億7800万円(建物・機械設備や土地代を除く)。ことし5月の操業開始を予定し、新たに地元採用する正社員10人(うち市内在住6人)を加えた約30人体制でデザートを生産する。機械の新規導入などにより、業務用デザートの生産量が現在の月約30㌧から約60㌧に倍増すると予測している。

市役所市長室で行われた調印式には、同社から林社長と林孝洋常務、市から尾花正啓市長、県から岡本圭剛県商工観光労働部長が出席し、協定書に調印した。

尾花市長は「高い技術を生かして次々とヒット商品を生み出し、地域経済に貢献されている。雇用創出についてもぜひ頑張っていただきたい」とあいさつし、林社長は「新工場ではプリンやトッピング用ソースなどの製造に加え、研修や商品開発の施設を充実させようと考えている。期待に沿えるよう努力したい」と意気込みを語り、岡本部長は「県としてもバックアップしたい。大いに期待している」と話した。

同社は安政元年(1854)創業、昭和31年に法人を設立し、県内でレストラン「グリーンコーナー」や茶類の販売店を8店運営している。従業員は123人、平成28年4月期の売上高(単独)は20億900万円。

協定書を手にする(左から)林社長、尾花市長、岡本部長

協定書を手にする(左から)林社長、尾花市長、岡本部長