描き始めて60年余 溝田さん初の油彩画展

和歌山市西庄の溝田哲夫さん(82)の初めての油彩画展が28日まで、同市祢宜のケーキサロン・マニエール和佐店で開かれている。

溝田さんは長崎県生まれ。21歳のとき、春陽会に所属する地元洋画家に絵を習い始めた。その数年後から公募展で入賞を重ね、29歳で和歌山へ。住友金属(現・新日鐵住金)和歌山製鉄所に勤めながら、同社絵画部でも活動。住金構内の看板制作を手掛けるなどした。数々の公募展で高い評価を受け、現在は市展、県展ともに無鑑査作家。

最近あまり絵を描いていなかった溝田さんに、再び絵筆を握る機会をくれたのは、昨年秋に同店で絵画の展示をした孫娘の井上智草さんだという。智草さんの勧めで個展を決意。店内には小品から50号までの20点が並び、そのほとんどは個展に向け、昨年8月以降に描き上げたもの。

絵の具に砂を混ぜ、立体感とともに幻想的に表現した半抽象の「太陽と森」をはじめ、アンスリウムやヒマワリなど写実的な作品も。智草さんが旅先で撮影した写真をもとに描いた屋久杉の作品は生命力にあふれ、時間の流れや自然の力強さが描き込まれている。

同店では来月、妻の久子さん(80)の絵画展も予定しており「3人での展示も楽しいかもしれませんね。孫娘のおかげで、皆さんに絵を見てもらえて感激。自由に楽しみ、喜んでもらえればうれしいです」と笑顔で話している。

午前9時から午後7時まで。問い合わせは同店(℡073・477・3155)。

「太陽と森」㊧や屋久杉の作品と

「太陽と森」㊧や屋久杉の作品と