未来の成長に1462億円 和歌山市29年度予算

和歌山市は16日、総額1462億4329万円の平成29年度一般会計当初予算案を発表した。28年度当初比0・5%減だが、過去4番目に大きい予算規模となった。少子高齢化や人口減少の進行、社会や経済のグローバル化といった時代の流れを的確に捉え、これまでの取り組みを本格化させる「未来に向けた成長を確かなものにする予算」と位置付けて編成。中学校卒業まで無料のこども医療費助成の通年化や、南海和歌山市駅ビルに設置する市民図書館新館の整備費用などを計上している。

【歳入】市税などの自主財源は前年度比8億3000万円増の713億8000万円で、自主財源比率は48・8%。市内の新増築家屋の増加による固定資産税の増収などにより市税が7億5000万円増の578億3000万円になった他、大和ハウスグループが加太のソーラーパネル事業の売り上げの一部を寄付している「未来のまちづくり基金」から3億5000万円を歳入に繰り入れる。

依存財源は15億9000万円減の748億6000万円。市街地再開発補助や扶助費の増加などで国県支出金が10億8000万円増の413億3000万円になったものの、消費低迷の影響により地方消費税交付金が11億8000万円減と、建設事業債の減少により市債が17億7000万円減となったことなどで全体として減少した。

【歳出】人件費や公債費などの義務的経費は、11億6000万円増の866億9000万円で全体の59・3%。人件費は4億6000万円減の261億7000万円となっているが、こども医療費助成の通年化で2億8000万円増、児童手当の制度改正により児童福祉関連扶助費が7億3000万円増加したことなどが影響した。借金の返済に充てる公債費は1億4000万円増の152億4000万円。

建設事業費などの投資的経費は、19億3000万円減の124億5000万円。市民図書館新館の整備に関連して7億7000万円増、市街地再開発事業で9億2000万円増、青岸ストックヤードの整備で6億2000万円増となっているが、市立伏虎義務教育学校の整備終了に伴う36億2000万円減が大きく影響した。