子どもの貧困改善せず 教職員組合が調査
県教職員組合(田中順也執行委員長)は1日、「子どもの貧困の状況と子どもたちへの影響」第2回アンケートの調査結果を発表した。貧困・生活困窮家庭の増加傾向は鈍化しているが、改善はせず、高止まりの状況にあるとしている。
同アンケートは、平成20年に実施した第1回と比較して子どもの貧困問題への認識や変化を調査したもの。昨年9月から10月に県内の公立小中学校の校長、担任、養護教諭、事務職員と各市町村の教育委員会および生活保護行政担当者などを対象に実施。総回答数は1173件。
調査では、「貧困・生活困窮家庭は増加しているか」という項目に「ずいぶん増えている」「少し増えている」と答えた割合は33・9%(前回43・7%)、「あまりかわらない」は39・0%(同26・3%)で、問題の増加ペースは落ち着きつつあるが、改善はされていないことが分かった。
学校で行っている配慮は、「声をかけて様子を聞くようにしている」が36・4%、「保護者とよく連絡を取るようにしている」が20・6%と多く、「文具などを学校で用意している」(3・2%)といった少数意見もあり、教職員がさまざまな対応を取っていることも分かった。
同日、同組合の琴浦龍彦副執行委員長らが県庁で調査結果を説明。「生活と学びを支えるより充実した支援制度」と「子育てを直接的に支援する制度」の二つの支援が必要だと指摘した。特に「子育てを直接的に支援する制度」については改善を求める回答が急増。子ども食堂の取り組みや、湯浅町の家庭教育支援チームの活動など、家庭教育に深く介入しないように注意しつつ、子育てを地域で支援していく動きが始まることに期待感を示した。