納得の根来塗が完成 松江さん知事訪問
全国各地で新しいモノづくりに取り組む若い職人を支援する本年度の「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」の「匠」に県内で唯一選ばれた根来塗曙山会の松江那津子さん(35)が13日、県庁を訪れ、仁坂吉伸知事に完成した作品を披露した。
同プロジェクトは、トヨタ自動車㈱と国内のレクサス販売会社が主催。地域の特色や技術を生かしながら、自由な発想で新しいモノづくりに取り組む若い職人52人を支援している。
松江さんは大学卒業後、根来寺塗師の池ノ上曙山さんから県の郷土伝統工芸品に指定されている「根来寺根来塗」について学び、現在は作品を制作する傍ら、岩出市伝統伝承事業根来塗講座の講師として地域の人々に根来塗の魅力を伝えている。昨年9月には仁坂知事が松江さんの制作現場を訪れ、激励した。
池ノ上さんらと訪れた松江さんは、「角切折敷」「眉間寺三ツ椀」など、制作した5作品を披露。作品について「自分でも良い作品ができたと思っています」と手応えを語り、根来塗について「普段の生活に使えるものがこんなにあるとは思わなかった」と活用幅の広さを紹介した。仁坂知事は根来塗が表面に刷毛目を残すことに関心を寄せ、「日本文化の精髄と言えるのではないか」と高く評価した。
1月18日には東京都内で他県の「匠」認定者と共に最終プレゼンテーションを行い、百貨店やセレクトショップのバイヤーらに作品を紹介しており、県内でも4月26日~5月2日に、制作した作品の展覧会が、和歌山市友田町の近鉄百貨店和歌山店で開かれる。