紀州箪笥の3職人が伝統工芸士に 8年ぶり

経済産業大臣指定の和歌山市の伝統的工芸品「紀州箪笥」の職人3人が、高い製造技術を持つ伝統工芸士として新たに登録され、14日、市役所南別館で認定証と登録証の交付式が行われた。

新たに登録されたのは「総合部門」で紀の川市の東福太郎さん(35)、「塗装部門」で和歌山市の志賀聡一さん(35)と森本健太さん(38)。昨年10月に試験が行われ、ことし2月25日付で登録された。

伝統工芸士の認定は、一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会が昭和50年から実施。県内では「紀州漆器」「紀州箪笥」「紀州へら竿」の三つの伝統工芸品について、今回の3人を含む計15人が登録を受けている。県内職人の登録は平成26年度以来で、紀州箪笥での登録は20年度以来となった。

交付式では、登録を受けた3人に対して紀州桐箪笥協同組合の志賀啓二理事長から「伝統工芸士認定証」と「登録証」が手渡された。

志賀理事長は「今後も伝統の精神を大切に、技を後世に伝えることを通じて後身の育成に力を尽くしてほしい」とあいさつし、後継者の育成に対する協力を呼び掛けた。

東さんは「紀州箪笥は重厚感と高級感が特長。和歌山産業技術専門学院での指導などを通じて後身の育成にも取り組んでおり、和歌山の活性化に少しでも貢献したい」と意気込みを話していた。

登録証を手にする(左から)森本さん、志賀さん、東さん

登録証を手にする(左から)森本さん、志賀さん、東さん