高級ホテル誘致促進へ わかやま版PFI

観光客の受け入れ体制強化に向け、高級ホテルや旅館の県内誘致を促進するため、県は、事業者に代わって土地を取得し、初期投資の軽減を図る制度「わかやま版PFI」を4月1日に創設する。

PFIは、公共施設などの建設や運営に民間の資金やノウハウを活用し、効率的、効果的な公共サービスを提供する手法。「わかやま版PFI」は、県が土地を取得し、高級ホテル・旅館など地域活性化に大きな効果が期待される施設を整備する事業者に賃貸する制度。物件調査や土地所有者との交渉が不要となり、事業者の初期投資が大きく軽減される。

仁坂吉伸知事は「所有権が入り組んでいる土地では、多くの地主と交渉する必要があり、事業者は進出に二の足を踏む恐れがある」と、新制度を導入する理由を説明した。

県は、高級ホテルや旅館を県内に開設する事業者に最大3億円を交付する「県宿泊施設奨励金制度」を昨年9月に導入。「わかやま版PFI」も同奨励金の対象となる宿泊施設が主な対象となる。土地取得の費用は賃料収入での回収を見込む。事業者が賃貸借期間の途中で事業を休止、廃止した場合は、残り期間の賃料を違約金として請求する。

県商工観光労働総務課PFI推進室は「制度をきっかけに民間投資が活発化してくれたら」と期待し、誘致活動を進めるとしている。