思い込もった手紙を供養 紀三井寺で法要
宛名不十分などで配達や返送ができなかった書簡を供養する「文供養会」が1日、和歌山市の紀三井寺(前田孝道貫主)で行われ、郵政職員やOBら約120人が参列した。
昭和42年から行われ、ことしで51回目を迎える春の風物詩。配達できなかった差出人の思いの込もった書簡「迷い子郵便」を供養する法要で、平成6年からは、家に保管していた大切な手紙も一緒に供養している。
前田泰道副住職を導師に、境内の石碑「文塚」前で法要を実施。祭主を務める文塚供養奉賛会の島本敏夫会長が「手紙が人の心をつなぎ、やすらぎを与える手段として、いつまでも利用されることを祈ります」と祭文を述べた後、昨年度の手紙作文コンクール(日本郵便㈱主催)の受賞者、県立和歌山北高校3年生の飯沼楓花さんが供養文を読み上げた。
ことしは事前に寄せられた約1200通のうちの170通と、参列者が持参した手紙を文塚前でお焚(た)き上げし、島本会長が灰を文塚に納めた。