ざんげと招福の水場 紀三井寺に新名所

日頃の罪を洗い流し、福を招いてもらおうと、和歌山市の紀三井寺に「ざんげと招福の水場」が造られ、5日に開所開眼法会が行われた。

楼門のそばにできた水場には外国人観光客向けの3カ国語の看板を設置。約240年ぶりに使われる水鉢に「清浄水」があふれ、その様子を白衣観音が見守っている。清浄水は同寺にある三つの井戸の一つで、罪障を洗い流すと伝えられている。水場では祈りを込めた人型のお札を溶かして心の痛みを流し、ざんげをして福を招く。

同寺では平成32年の開創1250周年に向けて境内の整備を進めており、併せて井戸の伝承を知ってもらおうと新たに設けた。また、県が行う「水の国、わかやま。」キャンペーンの一環でもある。

法会には同寺の世話人や職人など約10人が参加。同寺観光協会の林泰行会長と同寺の桜を守る会の田中尚会長が白衣観音像の幕を下ろし、前田泰道副住職(59)が観音像に目を入れる仕草を行い、表白文で法会の内容を観音像に伝えた。その後、参加者は胸にお札を当てて祈りを込め、水鉢にお札を浮かべた。

前田副住職は「ざんげをして自分と向き合い、心に問い掛け、さらにお参りして幸せを念じてもらえたら」と話した。

お札を水に溶かす参加者

お札を水に溶かす参加者